大阪市城東区 諏訪 山中医院|内科 小児科 放射線科|深江橋 放出駅


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院長の診療基本

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内科診断は問診、理学的診察(体を診ること)および検査の3つで構成されていると考えますが、各々の内科診断に占める重みはどうでしょうか?
 問診 History taking 約25~30%
 理学的診察 Physical examination 約25~30%
 血液尿検査画像検査等 約40~50%とおよそ考えています。
 私は計約50~60%占めると考える問診と理学的診察を非常に大事にします。この問診と理学的診察の過程で、頭の先から足の先まで(From top of the head to the toes)全身を私は全感覚を使って“感覚feel(観る、聴く、触れるその他)”します。常に自分の感覚をさらに研ぎすまそうという気持ちが大事です。この問診と理学的診察の2つでおよそ(50~60%)内科診断がつくと考えます。
 一見消化器の問題と見えても神経内科疾患であったり、腎臓の疾患と見えても肝臓や神経系が大きく絡んでいる場合もある。一臓器だけを診るのでは無く、全身を診る必要がある。間違いなく各臓器相互に関連している。私はTotal body theoryと言っています。
 約10~15年前より大病院でも、消化器内科、神経内科、循環器内科等々以外に総合内科あるいは総合診療科ができはじめたのは上記の理由からだと考える。まさに大病院の総合診療科ができるずっと前から我々町の診療所医は総合診療、総合内科を行っている。町の診療所医は全身を診て診断しあるいはある程度の診断をつけて必要ならば適切な病院の専門医に紹介する。私はそのスタンスでいます。
 臨床医学は他の科学と異なり直接、生身の人と接しています。“すべての患者様に人の尊厳を尊重し(Respect of human dignity)、心のあたたかさ(Warmth of heart)を持って接する”ことを大前提と考えています。
 臨床医学も当然internationalですが、人種差約20%、環境差約20%ある感じです。残り約60%は普遍性があるのでは。よって世界特に先端を行くアメリカ(USA)の医療には私は高い関心を持っています。そのため海外の優れた論文を見ています。ここで入手した海外の情報は自分の日常臨床に有意義です。


Recommended article by the Director
This is an article that I choose from worldwide journals. 4th. 2023 5 10
Benefits and harms of drug treatment for type 2 diabetes: systematic review and network meta-analysis of randomised controlled trials
BMJ 2023; 381 doi: https://doi.org/10.1136/bmj-2022-074068 (Published 06 April 2023)Cite this as: BMJ 2023;381:e074068

 2型糖尿病の治療において単なる血糖の厳密なコントロールをしても、心血管疾患や慢性腎臓病の十分なリスク低減に至らないことが判ってきた。2型糖尿病の治療においては心血管疾患や慢性腎臓病のリスク低減に重きを置くようになった。この文献では、13種類の糖尿病薬剤を471038人の患者を対象とした816件の臨床試験を検討したシステマティックレビューおよびネットワークメタ分析である。

SGLT2 inhibitorsとGLP1 receptor agonistsは心血管疾患や慢性腎臓病のリスク低減を認めた。Finerenone(ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬MRA 商品名ケレンディア 日本では2型糖尿病を合併するCKDに適応)も心腎疾患の入院率を減少させていると推測された。Trizepatide(dual GIP/GLP-1受容体作動薬 商品名マンジャロ)は体重減少効果が他剤より大、即ちMD(平均差)-8.57㎏(95%CI)でQOLを改善した。特記すべき副作用としてSGLT2 inhibitorsの性器感染、TrizepatideとGLP1 receptor agonistsの比較的強い胃腸障害、Finerenoneの高カリウム血症であった。

 一方 SU剤は心腎死亡率を上げる懸念がある。チアゾリジン系抗糖尿病薬(TZD  アクトス)は心不全入院を増加させる。DPP4阻害剤でもSU剤やインスリン注射を併用すると強い低血糖をおこす率を増加させた。SGLT2 inhibitorsはケトアシドーシスや手足切断のリスクを増加させた。

臨床医にとってSGLT2 inhibitors、GLP1 receptor agonists、TrizepatideおよびFinerenoneの4者特に後2者の副作用を最小限にし、最大の効果を得るように投与してゆきたい。



Recommended article by the Director
  This is an article that I choose from worldwide journals. 3rd. 2022 10 17

RCT: In relapsing-remitting multiple sclerosis, the long-term efficacy ponesimod on clinical relapse was assessed.
Freedman MS, Pozzilli C, Havrdova EK, et al. Long-term Treatment With Ponesimod in Relapsing-Remitting Multiple Sclerosis: Results from Randomized Phase 2b Core and Extension Studies. Neurology. 2022 Jun 6. pii:

 多発性硬化症MSは平均発症年齢30歳前後ですが、小児や高齢者が発症することもあります。男性よりも女性に多く、男女比はおよそ1:3です。直近では日本に約2万人,世界中で約250万人の患者数とされている。中枢神経髄鞘を障害する炎症性脱髄疾患である。

 症候として視力低下、複視、Lhermitte徴候(頸部前屈時背部に電撃痛)、脱力、しびれ、小脳失調(眼振、断綴性言語、企図振戦)。

MSの経過および分類

 ①一次進行型(primary progressive MS:PPMS)発症時より寛解期を認めず持続的な進行を呈する。

 ②再発寛解型(relapsing-remitting MS:RRMS):発症後に再発期と寛解期を繰り返す。

 ③二次進行型 (secondary progressive MS:SPMS):再発寛解型MSとして経過し、半数は次第に再発の有無にかかわらず病状が進行する。

 MSの治療として現在8種類の疾患修飾薬(disease-modifying drug:DMD)がある。

その一つであり欧米ではすでに発売されているポネシモド(ポンボリー®)は経口のスフィンゴシン-1-リン酸受容体(S1PR)モジュレーターであり、S1Pタンパク質の活性を機能的に阻害し、抗炎症や神経保護修復作用をもたらすとされている。現在SIPRモジュレータは同薬以外に日本で発売されているシポニモド(メーゼント®)等計4剤があるよう。

 本文献ではRRMS 343名を10mg、20mgおよび40mg投与群に分け、約8年調査した。20mg投与群で年間再発率0.154という低値を維持した。副作用として鼻咽頭炎、頭痛等で徐拍などの記載は特になかった。本邦で市販されているシポニモドと比較してどうなのか不明である。しかしポネシモドがシポニモド以上に奏功する可能性もある。


Recommended article by the director 2nd. 2022.3.8.

  This is an article which I choose from worldwide journals.

Review: In Clostridium difficile infection, the effect of fecal microbiota transplantation vs medical therapy was assessed.
Singh T, Bedi P, Bumrah K, et al. Fecal Microbiota Transplantation and Medical Therapy for Clostridium difficile Infection: Meta-analysis of Randomized Controlled Trials.
J Clin Gastroenterol. 2021 Sep 9.

CDI(Clostridioides difficile Infection)でも感染を繰り返すRCDI(Recurrent Clostridioides difficile Infection)にはFMT(糞便移植fecal microbiota transplantation)がMT(medical therapy)より有効という報告である。CDIの薬物治療としてフラジール、バンコマイシン、ダフクリア(フィダキソマイシン)がある。
Clostridioides difficileは嫌気性グラム陽性桿菌でClostridium科 Clostridium属に属していたがClostridium科Clostridioides属に変更された。同じClostridium科に属する菌としてClostridium tetani, botulinum, perfringens等がある。
USAでは毎年、約40-50万人CDIの患者が発生していると推計されているよう。USAではMRSAを抜き一番多い院内感染症とされている。必ずしも院内感染症だけではなく、強毒素産生株による市中感染もあるのでは。
日本では抗菌薬服用後の菌交代現象として発生するCDI以外は専ら院内感染症に位置づけられている。
日本ではUSA程多くないのは何故か?
FMTは現在RCDI以外に炎症性腸疾患(IBD:潰瘍性大腸炎,クローン病)、過敏性腸症候群に試みられているが有効性は結論されていない。


Recommended article by the director 1st. 2021.8.16.

  This is an article which I choose from worldwide journals.

Placebo-controlled RCT: In pulmonary arterial hypertension, sotatercept reduced pulmonary vascular resistance and increased 6-min walk distance at 24wks.
N Engl J Med.2021 Apr1

肺動脈性肺高血圧(PAH)の治療薬としてBosentan、Sildenafil、RiociguatおよびSelexipagの計4種類があった。今回Sotaterceptの有効性報告がでた。従来の4種類と今回のSotaterceptを含めて5種類ともすべてstemが異なり、それぞれ違う作用機序であることがわかる。特にSotaterceptはかなり期待できそうである。

Sotaterceptの作用機序:アクチビンは卵胞刺激ホルモン(FSH)の合成と分泌を促進し、月経周期を調節する役割を持ったペプチドである。これがALK受容体に結合し血管内皮細胞にも作用し、肺動脈平滑筋細胞増殖やアポトーシス促進がもたらされる。一方Sotatercept存在下ではアクチビンはALK受容体に結合せずSotaterceptに結合し、肺動脈平滑筋細胞増殖やアポトーシスを抑制し、肺動脈リモデリングを抑制する。

PAHのPE(physical examination)としてTR(吸気時に増強する逆流性雑音つまりRivero-Carvallo徴候)、PR(Graham Steel雑音)およびⅡp亢進が重要である。


最近の院長の講演活動(医師向け)

次回講演予定(Covid19のため延期)
About the stems in the International Nonproprietary Name of Medicine.

2019.11.16
Instead of DPP4 inhibitor, oral GLP1 receptor agonist(oral Semaglutide) may be the 1st choice of drug.
 文献:RCT:In type 2 diabetes, oral semaglutide increased glycemic control and weight loss more than sitagliptin at 52 weeks. Lancet Diabetes Endocrinol.2019.Jul.より考案

2019.7.6
RLS(Restless legs syndrome) 下肢静止不能症候群について
 文献 Review:In restless leg syndrome, iron improves restlessness and severity compared with placebo.
Cochrane Database Syst Rev.2019 Jan 4 中心に説明

2019.3.16
Migraine 片頭痛について
 文献:Galcanezumab in chronic migraine:The randomized, double-blind, placebo-controlled REGAIN study
Neurology® 2018;91:e2211-e2221.中心に説明

2018.11.10
ANCA 関連血管炎とリツキサンについて
 文献:RCT:In ANCA-associated vasculitides in remission, individually tailored and fixed rituximab regimens did not differ for number of relapses at 28 months.
Ann Rheum Dis. 2018 Aug;77(8):1143-1149.中心に説明

塞栓源不明脳塞栓症(ESUS)と直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)について
 文献:RCT:After initial embolic stroke of undetermined source, rivaroxaban did not differ from aspirin for recurrent stroke but increased major bleeding.
N Engl J Med. 2018 Jun 7;378(23):2191-2201.中心に説明

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